教え方よければ勉強するかしら

http://d.hatena.ne.jp/b_say_so/20070128/1169983264

うーん。登校投稿拒否いっぱいやってたオジサンとしてはちょっとちがうんじゃないかという印象が…。確かに教え方というのは大事なんですけど、必ずしも勉強する理由には結びつかないんですね。これは根拠なしにいってるんじゃなくて、今年、私、FD委員ようするに、教員同志の教え方の勉強会を企画する委員しているですけど、その関係で今年の授業アンケートの因子分析なんかしてたのです。それでわかったのはうちの大学のある必須科目についてなんですが、出席率と一番相関の高い因子って、教師が真面目に教えている印象と負の相関が、学生の理解度と正の相関があるのです。ようするに「この先生、ちゃんと教えてくれてんのに、俺ぜんぜんわからへん」という状況というのが欠席を作り出し、「この先生はだめなのに、俺って天才」と思えるときに出席が増えているんです。このデータみると、欠席する学生って、結構生真面目そうに思えませんか。そういう生真面目な奴が「先生はよーやっとんのに、俺ってバカ」としょげてるときに、それを見て反省して、もっと一生懸命やったりするともっと勉強きらいになるんじゃないでしょうか。

ほんとに少ないサンプルで一般性のない話ですけど、私は4年ゼミってとっても楽しくて、ゼミがある日って朝からルンルンなんですけど、要するに勉強してくれるわけです。でも、彼らが勉強している自覚があるかというと、そうじゃなくて、他のゼミで直接投資がうんぬんとか、現在の雇用状況が云々とかやっているの見て、「あーよそのゼミはちゃんと勉強してるな」とかいっているんですけど、彼らは自分のしたいことしかしないので、全然ちゃんと勉強やっとるという自覚がない。別に私の対応がどうのというより、どんな教え方やったって、普通の経済学の勉強なんてするような奴らじゃなかったのに根負けしてしまったようなもんです。

それで、分裂勘違いさんみたいに勉強のメリットを説教するのがいいのかどうかわからんけど、結局は勉強する理由がなければ、教え方工夫はあんまり意味がないように思うのです。でも、勉強する理由っていうのは説教で身につくもんじゃなくて、勉強する本人の中で育つしかないように思います。それを勘違いすると、金八先生ファシズムになる*1

*1:あー、そーです。やってました。つい最近まで。