数学が大嫌いなほとんどのひとのための人の数学のやり直し方

ホットエントリーメーカー参考にタイトルつくりました.

えーと,これは私自身のことでもあります.自分の不出来たなにあげてすんません.あと,大学で教えていると数学が嫌いで嫌いでしょうがない学生さんがたくさんいるのにも気がつきます.

自分も数学だめなんで,はてぶで数学の勉強の仕方とかの記事みつけると読んだりするんですが,どうもレベルが高すぎます.英語できない人にシェークスピア読めといっているようなのが多い気がします.

数学できない大学教員(経済学)のレベルでいうのですが,ほとんど文系の数学嫌いの学生さんがどのあたりで数学嫌いになるかというと,あんまり根拠のない実感にもとづいてですが,中学の半ばくらいなんじゃないかと思います.とにかく,そのあたりクリアすれば,たとえばチャンの『現代経済学の数学的基礎』なんかのアメリカの経済数学の教科書の導入で想定されている学力こえますし,西村『ミクロ経済学入門』(岩波書店)も数学でひっかるところもないはずです.チャンあたりもまじめにとりくめば,上巻くらいは3ヶ月かからんでしょう.

まず,プレテストです.以下のこと,ちゃんと説明できるでしょうか.

y=ax+b の傾きがaであることを説明しなさい.

これできない人けっこう多いです.傾きがわかっていない人も多いですし,関数って何か理解していない人も多いです.このレベルのことがわかっていないのに,『解析概論』とか絶対無理ですし,ブルーバックスの『高校数学でわかる××』とか卒直にいってはやすぎると思います.

このへんでひっかかっている人は,次の問題集がおすすめです.
受験生の50%以上が解ける落とせない入試問題数学

受験生の50%以上が解ける落とせない入試問題数学

受験生の50%以上が解ける落とせない入試問題数学

このあたりをクリアすれば経済学部なら次です.
経済学で出る数学 ワークブックでじっくり攻める

経済学で出る数学 ワークブックでじっくり攻める

経済学で出る数学 ワークブックでじっくり攻める

理系向けはよくわからんですが,以下のあたりもゆっくりなら『入試数学』がわかればとりくめるんじゃないかと思います.

やさしく学べる基礎数学―線形代数・微分積分―

やさしく学べる基礎数学―線形代数・微分積分―

出る数学ワークブックは中学校くらいの数学がわかっている人ならちょっとした努力で100点余裕とれるようにつくってあります.それでも高校程度の物理を理解できる程度(ベクトルとか偏微分とか,あ微分方程式はないか)には余裕でいくんじゃないかと思います.

これよんでやる気になった人にぜひ注意してもらいたいのは,高校入試もふくめて,受験問題というのは,その半分近くの問題は全員がとけないようにわざとつくっています.経済学とか,物理学とか理解するために,ああいうトンチを解く能力はほとんど要求されません.私もチャンを勉強しはじめたときに,ああいうトンチな練習問題が一切ないのに,かなり驚いたのを憶えています.(トンチの能力が要求される分野があることは否定しませんが)

『出る数学ワークブック』は序文であるように,ちょっとの努力で100点がねらえるように著者の白石さんが努力して作られた本ですし,『落せない入試問題』も半分以上の人がとける問題しかありません.こんくらいのことができる程度で本当に大丈夫なわけです.

私はやる気になれば,現在数学が大嫌いな人も上の2冊あげるのにそんなに時間はかからんと思っています.ほとんどの人が数学できなくなる理由は自分のペースで数学を勉強する機会がもてなかったからです.理想をいえば,多少つまづいても勇気づけながらつきあってくれるような先生とか先輩とかいれば,つづけられるんじゃないかと思います.(愛媛大のK先輩御元気でしょうか)

あと,ちょっと不味いのが,「計算できたけど,意味わからん」状態です.計算できるようになって,自信つけるのも大切ですけど,中身がわかったほうがいいにきまってます.『出る数学ワークブック』のほうは,ワークブックでないほうの『経済学に出る数学』を読めばいいんですが,『入試数学』レベルについては,不案内ですが,以下のあたりが副読本として思いうかびます.

マンガ・微積分入門―楽しく読めて、よくわかる (ブルーバックス)

マンガ・微積分入門―楽しく読めて、よくわかる (ブルーバックス)

関数を考える (岩波現代文庫)

関数を考える (岩波現代文庫)

岡部さんの本は関数の意味と関数の傾きあたりのとこだけで十分です.微分はあとにとっておきましょう.