実は役に立つ指数対数

上でした計算は野田首相やキャバクラおやじでなくても、役にたつことがわかると思います。住宅ローンをどうするかとか、退職後の生活設計とか、飲み代のつけをいくらまけてもらおうかとか*1、いろいろと実用的なわけです。

常々、感じているのですが、数学Iでほとんどの人がならう数学はとても実用的なものが多いのに、文化系とか、ブルーワーカーの人は必要ないと思いがちです。だけども、本職の人は知っていると思いますが、工事現場には三角関数知っている人がいないと、こまる現場が多いはずですし、指数対数の知識は金利とかの計算に便利です。

たとえばべきというのは金利の計算そのものといえます。べき乗というのは、x^nみたいなやつですが、最初の年A円で利子率がrのn年後の残高は
A(1+r)^n
となります。こういったべき乗のとりあつかいを高校数学では指数、対数のところで習うわけです。

先程の成長率の公式も指数対数をつかってみちびけます。ある関数の成長率はその関数の指数をとったものを微分すればいいことが、わかっています。(対数の微分と合成関数の微分から導けます。)
d\log f(t)/dt= f'(t)/f(t)
対数は掛け算を足し算に、割り算を引き算に変換する規則があります。
\log AB=\log A+\log B
\log(A/B)=\log A-\log B
したがって、f(t)g(t), f(t)/g(t)の成長率はそれぞれ、
{{d\log(f(t)g(t))}\over{dt}}={{d\log f(t)}\over{f(t)}}+{{d\log g(t)}\over{g(t)}}
{{d\log(f(t)/g(t))}\over{dt}}={{d\log f(t)}\over{f(t)}}-{{d\log g(t)}\over{g(t)}}

利子率は残高の成長率のことですから、この公式は金融関係の計算に応用がききます。

また、指数関数の底eですが、これも金利と関係していて、最初の残高がAで瞬間利率がrでt年目の預金の残高はAe^rtとなります。これをさきほどのいった、対数にいれて微分する方法で、成長率がrであることでわかります。

この辺でよさげな教科書をこのまえ見付けました。

数学基礎プラスα(金利編)2012

数学基礎プラスα(金利編)2012

早稲田大学の全学生向けの基礎数学の授業のテキストだそうで、とにかく安い499円*2Amazonで品切れですが、出版元に問いあわせたら、普通の本屋さんなら普通に注文に応じられるとのことです。金利をネタに数学の勉強をするというのは、ありそうなアイディアなのに、さがしてみても、あまりないので、貴重です。

というわけで、指数対数は役にたちますので、高校生のみなさん、サラリーマンのみなさん、キャバクラ中毒のお父さん、数学を勉強しましょう。

*1:それしか考えられんのか

*2:日本で有数の規模の私大だからな。書いた人きっとおこずかいがっぽがっぽでうらやましい