てめーら教師としてダメだろ

えー本音をいえば,こちらが書きたいことのように思います.少くとも経済学部あたりなら,一次関数わかっている学生にミクロの初歩おしえられない教師は,プロとしてどうかと思います.数学的に厳密さを要求されなければ,微分がなんであるかとか,微分が接線の傾きに一致するとか,それとちょっと時間をかければ,偏微分の意味と計算の仕方くらい教えられなくてなりません.なのに学会なんかで,学生の数学の学力のはなしになると,「極限がわからん学生がいる」とかいうバカが多くてこまります.あと,ブルーバックスで『高校数学でわかる××』ってありますが,高校数学わかってないと読めない入門書って,実質的に入門書とはいえない(少なくとも世間の数学学力の平均からみれば)と思うんですけど.

現在,数学が大嫌いになっている学生さんとかも含めて,中学レベルの一次関数とか,ピタゴラスの定理とか,そのあたりわかるようになれば,随分,わかることが増えるのです.そのあたりの努力するき気のないバカ教師が多くてこまります.

卒直に現在の中高の数学教育の最も顕著な効果は人間には数学とかができないかしこい人とそうでない人に分れるという認識をもたせることで,企業や社会に出て,本人以外の人にはとっても「有益な」奴隷根性なりの基礎になる敗北感,「幸運」な人には優越感をうえつけることのように思います.そんな優越感(裏返しの奴隷根性)もったまま,教壇にあがるバカは嫌いです.

数学を勉強することは,権威とか教師のいうことと関係ない真理を認識することを学ぶことなわけで,本来は奴隷根性から人々を解放する効果を確実にもっています.そういう意味で数学は近代民主主義の重要な基盤の一つなわけです.数学の世界では王様がいおうが,聖書にどう書いてあろうが,誰がいおうが関係なしに,正しさが判断されるわけですから.思想史苦手ですが,フランス革命とか,デカルトニュートンとかの数学がおよぼした効果も少なからず反映しているはずなのです.それが奴隷根性をうえつける道具になっている日本の状況はデカルトさんも天国で泣いていることでしょう.