疑似科学と統計学
おとついのエントリで引用した「ホメオパシーFAQ」だけど、あの部分はホメオパシーだけでなく、ほとんどの疑似科学の問題と関わっていると思う。
ホメオパシーFAQ - Skepticism is beautiful
現代科学で分からないかもしれないのは、効く仕組みであって、効くか効かないかではありません。
私は統計学についてはぜんぜん素人なので、ベンベニストの論文と反論文を読んだとしても、多分、分るのは英語で書いてあるだろう結論部分だけで、統計学的な議論については大半理解できないだろうと思う。ただ、経済学部にいて、少数のデータからプロットしたグラフに傾きである程度のことで、相関があるということはできない程度のことは知っているつもりだ。
基本的に疑似科学だけでなく(しばしば、科学者や経済学者も専門外のことで)多くの人は実験とか調査であきらかになることを誤解しがちであるし、また、ためしてガッテンとか、あるある大事典程度のサンプル数では科学的実験などとはいえないことにも無頓着である。また、統計的に十分高い有意性をもって、相関がいえることでも、そのメカニズムが分ることとは別である。
実はこのような点についてはそんなに深い統計学の知識はいらない。たとえば、ほとんど数式の出てこない「統計でウソをつく法」くらいの知識で、十分なはずである。
統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)
- 作者: ダレル・ハフ,高木秀玄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1968/07/24
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疑似科学批判をされている人にすべてこの本を読めといいたいわけではない。しかし、「科学的解明がされていない」とか主張するのなら、相手側の主張する科学的解明とは何かは理解すべきではないか。
もちろん、疑似科学とされている人が統計的事実以上にほかのことを大事にする権利はある。ただ、それならば、「確かに効きます」などの治療効果についての議論はすべきではないだろう。(私には効いたと思うとか、これはよかったとかは、問題ないと思う。)