中国語の思い出

学部のときは、まだほとんどの学生が第二外国語にドイツ語をとっていた時代だったのだが、「中国語は単位がとりやすい」という噂にまどわされて、中国語をとった。私の大学の中国語は中国語Aと中国語Bがあって、中国語Aを日本人の教師が、中国語Bが中国人の教師が担当していた。中国語Aの先生は発音にきびしい人だった。「音痴は中国語ができん」などと、いまどきの授業評価アンケートなんかあったら全員からD確実な方だった。

とりわけ、彼は中国語のpとbの発音にうるさかった。中国語のpとbは破裂音ではなく、破裂させずに発音しなくてはならないのだ。アメリカ人とかイギリス人とか子音が日本語より強く発音するが、中国人の発音のpとbはその逆に「ぶっ」とか「ぴっ」とかいう音がでないそうである。(タモリの4ヶ国語マージャン参照)それで我々はpとかbとかの入った文章を読まされるたびに「ぷっ、ではないううー,だ」と怒られるのだ。

それで、中国語Bの授業で、Aのほうでたたきこまれたううーをいうと、「そんなカッコつけて変な発音しても中国人には通じません。ぷっです。ぷっぷっぷっ!!」

おしまい