東電役員以上の裏切り者はお前らだ

もう20年くらい前だが、アトミックカフェという原爆がアメリカのメディアでどう扱われたかを画いた映画を見た。未だに忘れられないのが、アメリカでソ連から水爆が落とされたら、テーブルの下に隠れましょうとニュース映画でさかんに宣伝されていたことだ。日本で育ったひとなら知っていることだと思うが、広島の爆心地近くでは、原爆投下による高熱で多くの人が蒸発した。頭のうえに水爆がおちたらテーブルの下にかくれてもなんの意味もない。

それを思い出させたのが、
50Hzの電気を使ってる関東圏の人は 件の震災で電気が足りないのを実感していると思います... - techno!techno!!techno!!!

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だ。

今回の原発事故の原因を原発反対派に押し付けるだけの内容のない記事に批判的でないブックマークが400近く上がっている。

お前ら馬鹿か。お前らの脳みそは原爆のときはテーブルに隠れようというアメ公なみだ。目の前で起こっていることは原発反対派の「予言」の実現だろう。これから少なくとも1ヶ月はわれわれは、放水がうまくいったとか、いかなかったとか、電源はいつ復旧するかとか、核燃料棒が冷めるまで、毎日毎日、一喜一憂するわけだ。高木仁三郎が30年前から言ってきたことの、おくればせながらの、しかし、必然性をもっての実現だ。それを直視できないお前らは一週間にして、つかれはててしまったのか?

このバカたちを見ながら、私が憂慮するのは、@hayanoや@itokensteinのように、有益な情報を発信し続けている人々をふくめて、あまりに「おちつけ」とか「冷静に」とかいいすぎていることだ。あのバカたちは落ち着かなきゃと思い込みすぎて、正常な恐怖心を失ってしまっているようにみえる。私たちは、正常な恐怖心を失ってはならない。なぜ、今、なぜ、原子炉の周りで、被爆の危険を被りながら、多くのひとががんばっていられるのか。私は恐怖心を感じていないのではなく、関東が放射能まみれになる恐怖を全身で感じているからだと想像する。原子炉からはなれて彼らに守られている私たちがその恐怖から逃げようとするのは、彼らに対する裏切りだ。

あまりマスコミが取り上げていないが、三号原子炉はmox燃料がつかわれている。プルトニウムとウランの混合燃料である。プルトニウム放射能は強力でほんの数グラムのプルトニウムの近くで数週間すごすだけで、ほぼ確実に癌になる。臨界にならなくとも、酸素爆発でmox燃料が飛び散り、風で運ばれるだけで死人が大量に出ることは確実だ。日本は明日滅亡するかもしれない。それくらいのことが起こっている。そこことをまず直視しよう。私たちの共同体がそんな恐怖にさえ負けずに冷静でいられることは、震災の直後の人々の行動で実証ずみなのだから。

[追記]恐怖心を感じたら泣いたり喚いたりしましょう。人の目がはずかしくてできないけど、幸いにも、近所でカラオケルームが営業している場所の住んでいる人はカラオケ屋でおもいっきり泣き叫びましょう。冷静になるのはそれからでも遅くありません。