経済発展論ゼミの今後の予定(osakaeco分)
いまのところ参加者が47thさんとosakaecoだけのゼミですが*1、現在外野で見てる方も参加していただければ、うれしいです。
えー、某板のみなさまへのサービスにかまけて、まじめな勉強が遅れがちになっております。ただ、通報さまをはじめとして、皆様の努力でいろいろ、有益な論点、情報をいただいておりますので、必要な作業と思っております。御理解願えればと思います。>47th様
前回、ミクロの復習のようなことをやったのですが、弾さんやみなさんのコメントで、技術、産業構造をちゃんとやんないと机上の空論にしかならないと実感しています。とりあえず、きちんとした国際経済学のテキストを読みます。お時間いただければ、幸いです。
- 作者: 中西訓嗣,井川一宏,広瀬憲三
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2003/05
- メディア: 単行本
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この本を選ぶ理由はただ単に、目次みてみたら、各章の担当者の1/3くらいが大学院の先輩や後輩で、わからんことは著者に直接きけそうという、まったく個人的な理由です。
私は別にエラい経済学者ではありません。山形さんのような頭の切れもありませんし、大学以外の社会を知らないので、弾さんのような現実感覚にあふれたこともかけません。ただ、素人さんに経済学を教えることに関しては時間をついやしてきました。私がしたいことは経済学のセンスのない経済学教師が専門外の分野をどう勉強するか実況中継することです。
*1:47thさん。そんなもん知らんなどといわないでください。私はすでにその気になっています。
バックミンスター・フラー
経済学者が読んだら電波あつかいされそうな話。そうです私は電波だったのです。*1
まず最初になされるべきは、輸送と通信。80億人分の食料があっても飢餓がなくならないのは、これが一番の原因だ。先進国の余剰は届かないというより届けようがないのである。
これを読んでなぜか、バックミン・スター・フラーの電力エネルギー・グリッドを連想した。これは世界の送電線のネットワークを国境を越えて単一に統合するという提案だ。
以下はバックミンスター・フラー『クリティカル・パス』(邦訳)からの引用。
- 作者: バックミンスターフラー,R.Buckminster Fuller,梶川泰司
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 1998/11
- メディア: 単行本
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20年前2400キロメートルの有効送電範囲が技術的に達成されたとき、アメリカの電力ネットワーク・グリッドはアラスカからベーリング海峡を横断して極北東端ロシアの電力ネットワーク・グリッドにまで達することがすぐにはっきりわかった。…すべてを統合しているという利点から、この世界電力グリッドはどこへでも、誰にでも、いつでも、共通料金で電力を供給できる。これによって、現実に宇宙の時間ーエネルギーの代謝的計算システムに基づき、世界中で均一の原価と価格システムがすべての商品やサービスに適用されるようになるだろう。(pp.37ー40)
余剰電力の変動に効果的に対処するために、各々の「公益」事業は創業以来ずっと毎年毎年毎秒の最上昇点(山)と最下降点(谷)のパターンを記録してきた。会社は多数の予備の発電機を待機させているが、そのほとんどがわずかな時間しか運転されていない。(pp.34-pp.35)
地球上の昼の地域と夜の地域双方の電気エネルギーの統合によって、その全能力が常時利用できるようになる。(pp.328)
風ほど強力な動力源は、地球上存在しない。けれども風は、人類の必要に応じた時間パターンに同調しては吹いてくれない。風が吹いているときに発電してバッテリーに蓄電し、必要なときにそれを取り出すという方法では、電気エネルギーの75パーセントが入出力時に失われてしまう。…半径160キロメートルの範囲でみれば、風がつねにどこかで吹いていることがわかっている。直流を交流に変換して、世界ネットワークにその電力を供給できる風車を世界中に設置すれば、地球の日々のエネルギー収入源、つまり「風」を獲得し、それによって全世界のエネルギー需要を十分に満たしていくことができる。
(pp.330)
キグにもつかえるGDP
私が読んだGDPの説明でもっとも初心者にわかりやすいものは松尾匡氏の私家版のテキストである。ちょっと探してみたが、見付からないので松尾氏に無断で再現する。
45度線分析やIS-LM分析のような単純なマクロモデルを理解するためにしちめんどくさいGDPの定義を理解する必要はない。Y(GDP)という食べることにも使え、機械にも化け、あらゆる消費財としても使える一種類の財しかない経済を考える。その経済の生産は機械に化けたY(資本ストック)によってのみ、行われる。ことしのYの生産からあらたに機械に化ける部分を投資という。投資をIとおけば、生産に使われるのは機械に化けるYだけなのだから、Yの生産高(これもややこしいがYとおく)から投資を引けば消費となる。消費をCとおけば、Y=C+Iである。政府もあって、政府もYの一部をその活動のために使うのであれば、その部分つまり、政府支出をGとおけば、Y=C+I+Gである。簡単でしょ。
ところで、ここが一番肝心なのだが、Yはなんにでも使える消費財なのだから、当然、
キグにも使える。(ハリガタのイラスト付き)
((c)松尾匡)
えーと、あの当時松尾さんは看護学校で非常勤で経済学を教えていたはずなのですが、あの素晴らしいテキストを使っていたどうかは知りません。よいこのみなさんはこのテキストが出版されるまで、ちょっとむずかしい本でガマンしましょう。
- 作者: 松尾匡
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 1999/11
- メディア: 単行本
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