いそがしくて、松尾さんの新著をきちんと読めてない。

というわけで、今日はリンクだけ。えーと、メールボックス(リアルもEメールも)を放置していたので、無視してたわけではありません。ごめんなさい。

不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero)

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そういうわけで、この前、経済学史学会であったとき、つけたいちゃもん。松尾さんはケインズ体系での失業が価格伸縮性がみたされたもとで起ることを強調すんのは、いいけど、価格硬直性を仮定するのに『経済学史』でいやみたっぷりなんはどうやねん。価格伸縮的か硬直的かは実証で明かにすべきで、伸縮的でいえるから、硬直性を仮定するのにイヤミいうのはどうなんだろうか。

対話でわかる 痛快明解 経済学史

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だいたい、松尾さんは置塩先生の門下で、仮定一個変えれば、振舞いがガラリと変るようなキタナいモデルばっかりみてたのに、キレいなモデルをほめるんはどういうわけじゃ。私はキタナいモデルするぞ。ドマクロ大好きやー。

などと、酔っ払いを再現してみましたが、動学的一般均衡があかんとは思わんが、マイクロ・ファウンデーションがあるのが偉いというのが、マクロでいきすぎているように感じていて、ついついそれを松尾さんにぶつけてしまうのでした。人間にマイクロファウンデーションなかったらどないすんねん!!

私自身は松尾さんと一緒に勉強させてもらっていたころ、バッチいモデルばかり見ていて、マクロ・モデルってバッチいのよ、バッチくてもいいのよという先入観ができてしまって、マンキューのマクロの教科書が大嫌いだったりする*1 *2。それどころか、マクロ・モデルは現実的な仮定を入れるとどんどんバッチくなるという信念さえある。(斎藤誠さんの教科書ははじめのとこで、キレイなモデルがうまく現実を説明できる条件をちゃんと書いてる。あそこは、どういう経済なら、キレイなモデルが説明力がなくなるかの説明としても読める。)

と思ったら、松尾さんのページを読むと、

もちろん、現実は多かれ少なかれ不完全競争があって、多かれ少なかれ価格は粘着的ですので、現実に近づけるためにそれを仮定するのは悪いことではありません。

「粘着価格」という自己規定は正しいか

と書いてあったので、ちょっとうれし。

ただし、ヒックスがジョーン・ロビンソンたちにいじめられたから、固定価格のモデルはじめたっていうのは、ネタとしても、まともなヒックス研究者に怒られると思います。先生にいいつけるぞ。

*1:あんな、マクロだか、ミクロだかわからんモデル入門で書くな。ミクロが偉いならバローくらい徹底せい。

*2:あっ、でも、これ矛盾だ。マンキューのほうが、バローよりバッチい。マンキュー万歳。